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フシギ KOURAKUENセレナーデ【セイント√4】

1987年12月26日 全日本女子プロレス 後楽園ホール大会 観戦記

(1996年の補足:ペンネームと題名は、当時、売り出しプロジェクト中だったセイント・フォーと、彼女達のプロモーション映画「フシギTOKYOセレナーデ」から。
それにしても、この日の観戦で一枚も写真を撮らなかったのが惜しまれる。今をときめく、豊田、山田、下田、三田の新人時代であったはずだ。)

 Fighterのウインドブレーカーが出来上がったのが12月19日だから、27日の新日プロのワンナイトマッチに着ていった諸君は、自分たちこそ初めて会場へ着ていった人間だと思っているだろうが、実は一番最初にFのウインドブレーカーが初めて会場に出現したのは全日本女子プロ・レスの「未来闘争2」(12月26日後楽園ホール)なのである。という訳でFの機関誌史上最初の女子プロ・レス観戦記である。

 なにも前売り券を購入したわけではない。ある日拾ったかなんかしたデイリースポーツに、チケットプレゼントの記事があったので新日プロのチケットが当たった余勢を駆って応募したのだった。それがめでたく当選となったから行ったのである。

 試合開始は正午なのだが、11:30までに引き替えろと言うことだったので、11時頃にKOURAKUENの黄色いビル1階についたのだが、そこからして雰囲気が違う。ようよう5階まで行きファイトの読者ならば知っているであろう「アティサノエ」小川氏から北側J列20番(3500円)のチケットをもらい、正午までの時間をつぶすために近くの本屋へ行った。

 12時10分前ほどにエスカレータに乗ったが、自分のほかは男は(たぶん)いなく、高井麻巳子のソックリがいたりして、それはそれでポイントが高かったが、「ウォークマンを万引きするなら・・・で」などとのたまう女の子もいたりしてゲンナリした。

 会場は思いの他空席が多く、当日出場しなかった長与の人気を逆に知ることとなった。

 当日の試合組み合わせは、新人王決定トーナメント、石黒選手の引退試合、ジュニア選手権決定リーグ、宇野選手(首の骨を折った人である)の復帰エキシビジョンマッチ、小倉、永堀、小松選手たちによる10人タッグ(ポイント制のやつだ)、そしてメインが中野、斎藤のWWWAタッグチームと西脇、堀田のタッグマッチである。

 しかしこれらの試合よりも一番印象深かったのは、第一試合前の受け身の披露。例のでたがりコミッショナーが「現在の交通戦争で受け身は非常に大切云々」と説明した後、認定7級と称する小柄な女の子が出てきて、倒れる前から両腕を広げて倒れるというなんだかよくわからないものを1分間にわたり行ったのだが、その最中に観客の一部団体が「○○ちゃん、声が小さいよ。」だのと言うと、リング上の娘が「ハイ!」とかなんとかリアクションを起こすなんざ、おおかたどこかの中学校かなんかの運動部の対外試合のノリだ。

 さて、試合の方は新人王決定トーナメントはさすがに新人の試合で、技と言えばドロップキックとボディスラム、そして女子プロならではの必殺体固め。以前、何かの本で読んだ「思春期の女の子は中性的なものにあこがれる。」と言う話は本当のようで、ボーイッシュな顔立ちの娘の方が人気があった。選手紹介がまた凄い。会場で売っているクラッカーと紙テープをバンバン使う。紙テープには驚きもしないが(とは言っても凄い量だ)、クラッカーまで使う(会場で売っているんだぜ!)とは驚いた。決勝戦では相手をリストロックから投げた方が相手の回転したかかとを喰らって座り込むなんてシーンもあったが、勝だろうと思った方が勝った。しかし私には勝った方の試合運びはなんだか「キタナイ」感じがして嫌いだ。

 この後やたらと休憩時間が入り(たしか3回)、やたらとテンポを崩していたように思う。そう言えば会場に猫を連れて来ていた人がいて、その人は関係者らしく試合の合間に横田、西脇、堀田たちがいろいろいじくっていた。堀田なんかしっぽをもってぶら下げていた。

 肝心の試合のことも、もう少し触れておこう。あくまでレスラーとしてこの日印象が強かったのが小倉選手。

 あとの選手は悪けれども、レスラーとしての印象はほとんどない。それでもこれだけの観客(ファン)がいるのは、我々男子プロレスのファンと女子プロレスのファンではまるで対レスラー感情が違うからなんだろう。

 男子プロ・レスではトップレスラーが20代後半から40代なのに対して女子プロ・レスでは25歳定年制が言われるように、15歳くらいから22〜23歳ぐらいが中心だからか。女子プロ・レスファンは男子プロ・レスファンが持ち得ないようなレスラーに対しての仲間意識を持っているようだ。それは試合後の「○○さん(ちゃん)ごくろうさま。」コールに代表されるのではないかと思う。

 この日が引退式だった石黒選手がリング上で言った「普通の女の子がこういったところに登るチャンスはだれにでもある。」との言葉通り、レスラーもファンも全員が普通の女の子なのだろうか。たまたま今日リングに登っているのが○○選手で、観客席が自分であって、明日は逆かも知れないと言った感覚なのだろうか。

 女子プロレスラーという職業が、NHKの「中学生日記」で女子プロレスラーになりたいと言う女の子が出てくるくらいにメジャーになっているのを考えれば、あながち間違っていないと思うが、クラッシュ、ダンプ、大森といったところが参加しなかったので、本当のところは理解していないだろう。

 セミの10人タッグ(チームマッチと言ったほうがいいのかな?)は、ひたすら小倉、永堀、小松の3選手だけを追ってしまった。3人とも私が知っているかぎりでは木村健吾的立場なのだが、単にルックスだけで注目してしまった。

 しかし、小倉選手はこの日私に唯一レスラーとしての印象を残してくれた。単にレッグラリアット、ダブルアームスープレックスと言った大技を繰り出したというだけでなく、なにか一つ頭抜けていたと思う。小倉選手のシングルマッチならチケット買って見に行ってもいいな。関係ないけど、タイムアップの後、本部席に「勝ち?」と聞いてたのは良かったなぁ(オイオイ)。

 メインはマニアならば必見の中野、斎藤のタッグチャンプに60年組、堀田と西脇が挑むと言う試合だったけれど、中野は思っていたよりも単調なレスラーだった。斎藤もしかり。しかし、この二人が試合中に水を飲んでいたのには驚いた。だからかどうかは知らないが、最後は西脇が斎藤を「天龍ジャーマン」でフォール勝ち。観衆から「ミッちゃん、おめでとう。」とコールされてました。

 以上が、私の最初で、おそらく最後の女子プロレス観戦記である。あの異様な雰囲気を知りたい方は是非観戦へいらしてください。なかなか楽しめるでしょうから。但し、2〜3人で行ったほうがいいでしょうけど。


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